2014マスターズでピン契約のババ・ワトソンが優勝!

フィッティング行脚中でしたので掲載が遅くなってしまいましたが、
ババさん、見事な2度目のマスターズ制覇でした!

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アウトは若干緊張が見られたかなと思っていたんですが、
(スピースのバンカーからのチップイン!あれは素晴らしかったですね)
後半になればなるほどいつものババさんらしい豪快なゴルフが見られた気がします。

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キャディのテッド・スコットとのコンビも健在。
ただ、「バッバゴルフ(彼にしかできない、想像性に満ち溢れたゴルフ)」を
最も近くで見てきた彼でさえ、15番の林の中からの2打目は想像できなかったと言います。

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近代ゴルフの教科書には当てはまらない、
ある意味で原初に近いゴルフをバッバはしているのかもしれません。
(ゴルフが生まれた当初は誰も「インサイドアウトが云々」など言ってなかったでしょうから)

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今回惜しくも涙を呑んだスピースは、
「13番での彼のドライバーショットは一生忘れないね」
と言っているそうです。

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しかし彼の魅力は飛距離もさることながら、
チャレンジすることの素晴らしさを自ら体現してくれている点にもあると思っています。

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今までコーチをつけたことが無いという彼の自己流のスイングは、
良い意味で「そのままでいいんだよ」と言ってくれている気がするんですね。

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ゆえに、人種の坩堝であるアメリカで熱狂的に支持されるのでしょう。
あのタイガー・ウッズも彼とは非常に仲がよく、よく一緒に練習ラウンドをするそうです。

タイガー曰く「自己流でなぜあそこまで上手になれるのか調べたかった」とのことですが、
この辺がタイガーとババさんの性格の違いと言いますか、立場の違いを感じさせますね。

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そんな彼ですが、道具へのこだわりは偏執的とも言えるほどで、
パターのグリップ交換で100以上のグリップを試したこともあるとか。

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グリップの下のテープの巻きが1重足りないことにも気付き、
また接着剤が片側に偏り気味で付いていることにも(微妙な重量の違いで)気付いてしまうとのこと。

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それはある意味、神から与えられた彼の才能の一つなのだと思います。

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ババさん、本当におめでとう!
愛する奥様と息子が見守るグリーンで優勝できたことは、
一昨年の勝利とはまた違った感動があったことでしょう。

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願わくは日本の大会にも出て頂いて、
日本のゴルフを根底から覆すようなビッグドライブを見せてくれたらなと思っています。

2013年マスターズ決着!



今年も素晴らしい盛り上がりを見せたマスターズ。
昨年に続いて今年もプレーオフへともつれこみ、
アダム・スコットとアンヘル・カブレラの一騎打ちとなりました。

18番では勝負が付かず(これまた昨年同様に)10番ホールでの決着となりましたが、
セカンドショット後にお互いを称えあうスコットとカブレラは格好良かったですね!

特にスコットは昨年の全英オープンで掴みかけたクラレット・ジャグを逃しているので、
マスターズにかける意気込みは強烈なものがあったかと思います。
その気迫に負けじと喰らいつくカブレラの執念も本当に見ごたえがありました。

う〜ん、やっぱりマスターズは見ていて面白い!
ゴルフはやっぱり楽しいですね!


ちなみに今回のマスターズでカブレラが使用していたクラブは以下の通りです。

 ドライバー:G25(8.5度)
  シャフト:Aldila Tour Green 75 X

 フェアウェイウッド:G25(#3)
  シャフト:Aldila RIP Alpha 80X shaft

 ハイブリッド:Anser(17度)
  シャフト:Aldila RIP Alpha 85X shaft

 アイアン:i20 (#3)S56 (#4〜#9、PW)
  シャフト:True Temper Dynamic Gold X100 Tour Issue

 ウェッジ:ツアーウェッジ (54度、62度)
  シャフト:True Temper Dynamic Gold X100 Tour Issue

 パター:スコッツデール TRパター シェイ H

詳細はこちらのサイトからどうぞ。


カブレラ、プレーオフ2ホール目のティショットはアイアンでしたね!
ちょっと驚きましたが、スコットの3番と遜色ない飛距離でした。
思いきりドロー回転をかけて打っていましたが、
あのような使い方ができるのは操作性の高いi20アイアンならではという気がします。

2012年マスターズ プレーオフ。



ババ・ワトソンとルイ・ウェストヘーゼン。
今年のマスターズで唯一10アンダーまで到達した二人のプレーオフが始まります。



プレーオフはサドンデス形式。
18番で決着がつかなければ10番、
そこでも決着がつかなければ18番と交互に行われます。

1打のミスが致命的になるこの戦い、
先行はババさん(ババ・ワトソン)が取りました。



まずはティショットをフェアウェイセンターに。
これもゆうに300ヤードを越えるビッグドライブ。



続いてウェストヘーゼンですが、緊張で汗をかいているのでしょうか、
キャディにタオルをもらい何度かグリップと手のひらを拭いています。



呼吸を整えて放ったウェストヘーゼンのティショット!
少し左にバウンドしましたが、なかなかいい位置につきました。



若干のつま先下がりですが、狙えない位置ではありません。



キャディと相談し、使う番手を考えるウェストヘーゼン。
しばらく悩んでいましたが、思いを決めたかのようにショット!
つま先下がりの分若干右に逸れましたが、
先ほどのババさんと同じような位置につけることに成功しました。



一方のババさんは平坦なフェアウェイからのセカンドショット。



高く上がったボールを目で追います。
勝負が決まるかもしれないセカンドショット、その行方は…



ピン横、約2メートル強の位置にピタリ!
ウェストヘーゼンよりも更に内側へつけることに成功しました!



慎重にラインを読むウェストヘーゼン。
このバーディパットを決めれば大きなプレッシャーを与えられるだけに時間をかけます。
昨年のシュワルツェルに続く、南アフリカ勢の連覇をかけたパットは…



カップをかすめるも入らず!
このパット、本当にギリギリでした。
しかし1打は1打。タップインパーでウェストへーゼンはこの表情。



続いてババさんのバーディパット。



自身初のメジャー勝利をかけたパットは…



ほんの僅かのズレでカップインならず!!!
ピリピリとした緊張感が漂う中、プレーオフは2ホール目に突入です。




安堵と緊張が入り混じった顔で10番ホールに向かうウェストヘーゼン。
このアングルでは見えませんが、
彼のポロシャツの左袖には「57」の文字が刺繍されています。

実はこの数字、故郷である南アフリカのコースで達成した彼の自己ベスト。
ちょっとしたお守り…というかゲンかつぎになっているのかもしれませんね。




プレーオフ2ホール目、10番ホールのティショット。
495ヤードとかなり長いパー4、もちろんドライバーを持つババさん。



しかしこれが裏目に出たのか、ティショットが大きくフック!



なんと林の奥深くに転がりこんでしまいました。パトロンもこの表情…


一方ウェストへーゼンはティショットにスプーンをチョイス。
右へ大きく押し出し、ババさん同様林に入れそうになりましたが、
オーガスタの女神が微笑んだのでしょうか、
木に当たった(恐らく)ボールは幸運にもファーストカットまで戻ってきました。



セカンドショットはピンまで231ヤード。
距離はありますが、林の奥深くに入れたババさんに比べれば大きなアドバンテージです。



ここで一気に勝負を決めるべく、アイアンを振り抜くウェストヘーゼン!



しかし低い弾道で打ったショットは僅かにグリーンに届かず、花道でストップ。
若干当たりが薄かったのでしょうか…。




そしてティショットを大きく曲げ、林に入れてしまったババさん。
上写真の黄色い線は解説の中嶋プロが書いたものですが、
ご覧の通り、林を抜けた後でほぼ直角に曲げなければグリーンには届きません。



この状況でどうやってグリーンを捉えるか、キャディと相談。
彼は何度もこういった状況に陥りながら、
常識にとらわれない独創的なショットを生み出すことで窮地を脱してきました。

彼や彼のキャディであるテッド・スコットはそんなババさんのゴルフを
「バッバ・ゴルフ」と(半分冗談混じりで)呼んでいるそうですが、
そこには彼への親しみと敬意が同居しているような気がしますね。



ピンまでは直線距離で155ヤードですが、当然その方向には狙えません。
強烈なフックでグリーンを捉えるため、全く違う方向に狙いを定めます。
そして…



マスターズ制覇の願いを込めたセカンドショット!



空高く舞い上がったボールは大きく弧を描き、グリーンを…











捉えました!!
ババ・ワトソン、ここにきて起死回生のバーディチャンス!!



このスーパーショットにオーガスタのパトロン達も大喜び!
「バーバ!バーバ!」の大合唱です。



一転して窮地に追い込まれたウェストへーゼン。
それでもこのアプローチを寄せればパーですし、まだまだ可能性は残っています。



やや距離のあるアプローチ!果たしてピンそばまで寄せられるか?



ウェストヘーゼンのボールは斜面を駆け上がり…



傾斜を利用してピン方向に戻るかと思われましたが、この位置にストップ。
かなり厳しい下りのパーパットが残りました。



それでも一縷の望みをかけてラインを読むウェストヘーゼン。



大きくスライスするライン。
クロスハンドで打った彼のボールは…

















無常にもカップの右を抜けてしまいました。
がっくりと膝を折るウェストヘーゼン。



この日のスタート直後、マスターズ史上初となる
2番ホールでのアルバトロスを決めたウェストヘーゼン。
あの時、オーガスタの女神は彼に微笑んだかと思われましたが…



気を取り直し、タップインするウェストヘーゼン。
プレーオフ2ホール目、ボギーです。




この距離を2パットで決めればババさんの優勝。
念願のメジャーチャンピオンはすぐそこです。



僅かにスライスするライン。果たして…?



惜しい!バーディはなりませんでした。
が、後はタップインするだけ。
これを…





決めました!!!
ババ・ワトソン、ついに念願のメジャー制覇!!!



厳しい戦いを支えてくれたキャディのスコットとがっしり抱き合うババさん。
既に肩が大きく震えています。





顔をクシャクシャにして涙を流す姿はまるで大きな子供のようですね。

以前から様々なサイトで取り上げられていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、
彼はこの年になるまで一度も正式なコーチ(ゴルフの)を受けたことが無く、
全て独学で自分のスイングを磨き上げてきた異色のプロです。
(本人も「人の言うことを聞くのが嫌なんだ」とインタビューなどで話しています)



そのためか以前はプレー中に癇癪を起こすことも多く、
キャディのスコットにプレー中の態度をきつく叱られたこともありました。
以降、彼はプレー中にポーカーフェイスを貫くよう心がけているのですが、
優勝した時は抑えに抑えていた感情が一気に溢れ出してしまうそうです。



また彼の家庭は決して裕福ではありませんでしたが、
(故郷であるフロリダ州バグダッドは人口わずか1,500人の小村)
両親が一生懸命に働いて彼にゴルフをさせてくれました。



その時に苦労した両親の姿を見ているからでしょうか、
彼は4年ほど前にアメリカのアパレルブランド「Steve & Barry's」社から、
ポロシャツ1枚が1,800円という「Bubba Golf」なるラインを発売しています。

自分が小さい頃にこのような安いウェアやギアがあれば
両親も苦労することはなかったのに、という思いがあったそうです。



しかしそんな彼を長年支えてくれた父親のジェリーさんは2010年に喉頭がんで他界。
ババさんはこの年の全米プロゴルフ選手権で優勝を掴みかけたのですが、
ドイツのマーティン・カイマーにプレーオフで破れ、
病床にある父親にメジャー制覇の勇姿を見せることは叶いませんでした。
今頃は天国で彼の姿を見て、お父さんも喜んでいることでしょう。



親友のリッキー・ファウラーやベン・クレインも大喜びでババさんを祝福。
彼らとババさんはある面白いチャリティプロジェクトをしているのですが、
その話は次回の記事で。



本当におめでとう、ババさん!!
素晴らしいマスターズをありがとう!





あえて深く触れてはいない「Golf Boys」やその他のババさんに関する逸話、
トリックショットムービーなどは後ほど別記事で紹介予定です。

本当はそのために4月2日に「我らがババさん」なんてカテゴリを作ったんですが…
まさかカテゴリを作った直後にマスターズで優勝してしまうとは。
意外性があるにも程がありますよ、ババさん。


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