Si3ドライバー。ライ角を調整できた、現時点で最後のドライバーです。

こんにちは、ゴルフショップオカムラ管理人です。

『Si3ドライバー』というクラブがピンのラインナップに存在したことをご存知の方はどのくらいいるでしょうか。

 

 

Si3ドライバーが出た直後はGシリーズすらまだ登場しておらず(直後にG2フェアウェイウッドは登場しました)、日本におけるピンのユーザーシェアが恐らく最も少ない時代だったかと思います。

このSi3ドライバーが出たすぐ後に『G2ドライバー』が登場し、Gシリーズのヒットも相まってこのモデルは殆ど忘れ去られた存在になってしまったような気がします。

 

 

ただ、Si3ドライバーそのものはピンらしい様々な工夫が施されたモデルで、今見ても色々と発見があります。

 

 

特に面白いのがホーゼルの交換によってフェースアングルやライ角が調整できるという仕様です。

この仕様自体は前のモデルから既に採用されていたんですが、Si3ドライバーではライ角が4種類、フェースアングルが2度オープンから2度クローズまで細かくチョイスできるようになっていました。

 

その後のモデルでは球が捕まりにくいユーザーのためにオフセットを付けたり、ウェイトの位置を変えたモデルなどが発売されるわけですが、ここまで細かく調整できるモデルはこのSi3ドライバーが最後になるのではないかなと思います。

 

 

もう一つ面白いのはヘッド体積が2種類あったこと。340ccと380ccの2種類が販売されていました。

操作性を重視するユーザーは340cc、寛容性を重視するユーザーは380ccと分けられるわけですが、これは後のGシリーズとiシリーズの住み分けにも繋がっていますね。

 

 

 

最後はロフトの種類がやたら多かったこと。6度〜12度まで1度刻みでヘッドが用意されており、先のフェースアングルやライ角の調整と組み合わせると凄まじい種類のヘッドを組むことができました。

これは当時からピンがフィッティングを重視していることの現れと言えるのではないでしょうか。

 

逆に言うと、当時きちんとしたフィッティング環境の整っていなかった日本では、Si3ドライバーの魅力を最大限伝えることはできなかったとも言えます。

アメリカと日本の環境の違いがそのまま売上に反映されたのでしょうか、Si3ドライバーがカタログ掲載されたのは僅か1年だけで、翌年から日本版カタログのメインギアはG2ドライバーに切り替わってしまいました。

 

 

現在では殆ど話題にも上がらなくなってしまったモデルですが、その特徴を掘り下げて見てみると結構面白い、意欲的な商品であったように思います。

元々ピンはプロのためのクラブ作りを第一義としたメーカーで、そのプロと同じ仕様のモデルを一般ユーザーも使えるというのが魅力になっています。

 

しかし、プロのようにきちんとした見立てをしてもらえるかどうかという環境の違いは、やはり売上にも大きく響いたことでしょう。

特に当時は自分のためにクラブを見立ててもらうという考え方が浸透していなかったわけですからなおさらです。

 

 

そう考えると、現在の日本は本当にゴルフに関して進歩したと言えるのではないでしょうか。

少なくとも「フィッティングのお陰で100を切ることができた!」という日本人ゴルファーの数は間違いなく増えていることと思います。

その影にSi3ドライバーのような、スポットライトがあまり当たらなかったモデルが存在するということを覚えていてもらえれば、いちピンファンとして嬉しく思います。


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